伝わる文章のライティング技術(1)タイトルの付け方

もっと伝わる文章に。たった1つの習慣から始める

 新年度が始まりました。就職をして新社会人になった人、異動になった人、転職した人。新しい仲間と働くことにワクワクすると同時に、少し不安を感じることがあるかもしれません。
 特に2021年は、いまだ新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、オンラインでやり取りしなればならない場面も多いでしょう。メールやチャットツールで、「うまく伝わらなくて失敗した」、「どう書けばいいのか…」といった経験も起こりがちです。
 伝えたいことを、メールやチャットなどのオンラインで失敗せずに伝えるには、ライティングの技術が必要です。

 このコラムでは、ライティング技術の基礎力をつけるのに役立つヒントを提供していきます。1回目は、すぐに実践できて、効果が高い技術。「タイトルの付け方」です。


 文書のタイトル(表題)やメールの件名は、「この文書やメールで伝えたいこと」を、読み手に表明する第一声。だからこそ明確に目的が伝わるように書きましょう。コツは何をしてもらいたいのか、相手にして欲しいことを盛り込んで書くことです。

 たとえば、「人事担当者に社内研修の内容について相談したい」とメールを出す時に、次の2つのどちらの件名が良いと思いますか?

(1)  件名:研修について

(2)  件名:[相談]社内研修〇〇の内容の問い合わせ

 研修の業務を数多く扱っている人事担当者に、内容を読まなくても目的が伝わるのは、(2)の件名です。「相談」や「問い合わせ」と書けば、返信が必要なことがわかります。「社内研修〇〇」と具体的に書けば、どの研修なのかが伝わります。

 表題や件名をわかりやすくするのは、読み手の理解を早くし、仕事をスピーディーに進めることにつながります。仕事は組織やチームで進めるもの。だからこそ、相手の仕事がスムーズに進むように考えて書くことが重要です。
 文書を提出する前に、メールを送信する前に、「表題や件名、わかりやすく書けている?」とチェックする習慣をつけましょう!

 メールの件名をわかりやすく工夫することで、あなたのやる気や評価を高めることができますよ。

 わかりやすく、読み手に伝わる文書を書くためのライティング技術には、いくつもの要素があります。構成、文法、文章表現、語彙、敬語。こうしたビジネス文書のルールを知り、目的と相手に合わせて書くことが求められます。
 一朝一夕ですぐに身に付けるのは、難しいけれど、日々、鍛錬すれば筋肉のように、仕事を進める力を支えてくれます。
 これから伝わる文章力をつけるヒントを紹介していきます。どうぞ、お役立てください!