株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2015

 

情報を部品化し組み立て

2015年(平成27年)6月23日 日経産業新聞掲載

 製造業では製品の開発から出荷、サポートまで一連の流れをスピードアップするために様々な取り組みがなされている。その1つとして製品に添付するマニュアルの作り方も変化している。情報を部品化して管理し、部品を組み立てるように文書を作成する。製品の仕様を変更した際には、マニュアルの修正部分を特定し、素早く更新する。翻訳作業も効率化できるため、多言語展開が必要なグローバル拠点を持つ企業で導入が進んでいる。

 このような部品化や構造化の標準的な手法の1つであるDITA(ディタ)の国際会議「CMS/DITA ノースアメリカ2015」が4月に米シカゴで開催された。18カ国から約350名が参加し、活発な議論が交わされた。

 この会議には4度目の参加となるDITA導入のコンサルティング会社、リナレッジの樋川恭平氏は「仕様であるDITA1.3のリリースを控えて、規格の議論からより実践的な段階に入ってきた。例えば、ユーザーが困ったときに使うトラブルシューティングについてDITAの仕様が強化され、ユーザーが必要な情報が探しやすい書き方の議論が深まっている」という。ユーザーの問題解決に迅速に役立つ書き方が発表された。

 開発段階での技術資料と連携できることもDITAのドキュメント作成システムの強みだ。この会議には台湾やインドからも参加者があった。製品だけでなく、マニュアルについても海外拠点と連携して作成する企業が出てきており、アジアの関係者も最新情報を収集しているのだろう。

 部品化によって、個々のニーズに対応したカスタマイズマニュアルの作成も容易になる。マニュアルだけでなく、習熟度やニーズに応じた教育やトレーニング用の教材への応用も注目され、事例が出てきているという。大量の情報を整理し、欲しい人に欲しい情報だけを使いたい形で素早く届けるための試みが進化しているといえるだろう。